いむ茶でいっぷく

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【アンソロ企画】SS『ナルル王国 197年15日 はれ』

  こんにちは!
  いきなりなんですが、

  ハナさん(@hana_clover123)主催の【インターネット上アンソロ企画 ワーネバ暮らし~ある日の風景~】に参加させていただきました~!


  この企画は「ワールドネバーランドのどこかの国の誰かの1日を同じシチュエーションで描写する」という企画です。
文章・イラスト・漫画どれでも可。

  エルネア王国開国のお祝い企画でもあり、「お花を摘んでエルネア王国(または知らないどこかの国)に送る」描写を入れることもルールです。

  あとでハナさんがみんなの「ワーネバ暮らし」をまとめ、お花は花束にしてエルネア王国に届けてくださる予定です。

  興味を持たれた方は、詳しくはこちら ハナさんのブログ 『ナルル暮らし。』 http://s.ameblo.jp/hana-clover123/entry-12034517000.html にてどうぞ!

  Twitterの #ワーネバ暮らしアンソロ タグでも様子を覗けます。



  ではでは、SS『ナルル王国 197年15日 はれ』へどうぞ!






『ナルル王国 197年15日 はれ』


  むにゃむにゃ、おはようございます…。
 
  ぼくはライラック・フローラル、3さいです。
  となりにはまだ赤ちゃんの弟・フェンネルがすやすや眠っています。ベッドの横のテーブルに置いてあるメガネをかけ、フェンネルを起こさないようにそっとベッドから出ました。

「ねえ、ゲンナディーさん、それ皮むかないの?タネは?」
「皮とタネにも栄養があるんだ」

  台所からパパとママの声と、ゴリッゴリッという音が聞こえてきました。

「おはよう、にぃにー!」

  上の弟のリンドウが走りよってきました。がしっと抱きついて離れません。

「おはよう、リンドウ♪パパとママもおはよう♪」

  僕が起きてきたことに気づいたママが「あら、おはよう、ライラック」とこちらを振り向きました。
  パパは後ろを向いたまま「おはよう」と言いました。背伸びをしてパパの手元をのぞくと赤黒い何かをゴリッゴリッと棒でつぶしているのが見えます。……あれはイコの実かな。イコの実ってあんな色だったかな。


  窓からお日さまの光が入って明るいおうちの中は、今日もシーラエルグのにおいがします。


  朝ごはんは、いつもパパが作ってくれます。テーブルにはよくわからないこげ茶色のうすっぺらいものがお皿に盛り付けられています。パパは赤黒いドロドロしたものにラダ・ミルクを入れてかきまぜ出しました。
   どうやら今日はフルーツミルクとパンケーキみたいです。毎日思うのですが、お魚を使ってないのにどうしていつもシーラエルグのにおいがするんでしょうか……。
  ママは暗い顔で、赤黒いデロデロしたものが浮いたフルーツミルク入りの大きな水さしをテーブルに運んでいます。ママ曰くパパの料理は「どくそうてき」なんだそうです。ママは「愛があるから大丈夫」と言います。愛ってすごいなとぼくは思います。
  でも、ぼくたちにはパパのいないときにこっそりお小遣いやロツパンをくれます。


  パパがコップを持ってこっちを振り向こうとしたとき、リンドウが「あ、あそびにいってくる~」と外へかけだしました。

  ママがぼくを見て力なくうなずきました。

「ご、ごめん、ぼくもお友だちと約束があるんだ。朝ごはんは、ロツパン持ってるから!」
 
ロツパンよし、勉強道具よし、お弁当よし、宿題のノミカ実よし。

「い、いってきます!」

パパ、ごめんなさい!!

  おうちがあるレト区を出ると西公園があります。そこで座ってロツパンを食べました。もぐもぐ、ごっくん。

  さて、王宮前大通りに行く前に、プレゼントのお花を摘みましょう。よいしょ、よいしょ。セシリアの花とポワンの花!
  ぼくはポワンの花がすきです。

  王宮前大通りにつくと、お友だちのアサンタちゃんが先に待っていてくれました。
  アサンタちゃんはぼくと同い年。
  たれ目がちな目元はまつ毛が長くてふわんとしているけど、キリリとしたまゆ毛がしっかりとした性格をあらわしています。肩より上、ふわふわした金色の髪の毛のとてもかわいい女の子です。

「東公園にいきましょう」
「うん」

  東公園に行くとちゅう、酔いどれ騎士亭の前を通りました。お店の外にはコモモ・ワインの空きビンがたくさんおいてありました。

「ねえ、ライラック、ボトルメールって知ってる?」
「ううん、なにそれ」
「ビンの中にお手紙を入れて海に流すんだって」
「えっ、なんでそんなことするの?」
「海のむこうにはほかの国があるから、そこに届けるためよ」
 
  アサンタちゃんが胸をはって、えっへんと言いました。
  ほかの国へお手紙、なんだかとてもワクワクします。

「やってみたいなあ」
「じゃあ、一緒にやりましょうよ」
「いいね!このコモモ・ワインのビンもらえるかなあ。あっ、酒場主の人だ!」

  ぼくは勇気を出して、酔いどれ騎士亭にお料理を補充にしにきた酒場主の人に「ボトルメールをしてみたいのでコモモ・ワインのビンをくれませんか?」と聞きました。

「いいよ、割らないようにだけ気をつけてね」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます!」
「アサンタちゃん、1本ずつでいいかな」
「うん!」

  コモモ・ワインのビンをもらったぼくたちは、東公園へと急ぎました。

  東公園では、ほかの子たちが草すべりをしたり虫取りをしたりして遊んでいます。

  ぼくたちは東公園のすみに2人で座り、カバンをゴソゴソしました。
  このあと学校へ行くので、カバンに筆箱とノートを持っています。


「ライラック、便せん持ってる?」
「ううん、ノートならあるけど」
「そっか、ならコレあげる!やっぱりお手紙にはかわいい便せんじゃなきゃ」

  さすが女の子、いつも便せんを持ってるんだ……とポカンとしながら、アサンタちゃんから便せんを1枚受け取りました。

「ありがとう」

  アサンタちゃんがくれた便せんは淡いピンク色で、そこかしこにお花が書いてありました。

(アサンタちゃんはピンク色が好きなのかな)

「なんて書けばいいのかなあ」
「好きに書けばいいのよ」

  うーん、悩みます。

ーーーー海のむこうのあなたへ

はじめまして、ぼくはナルル王国のライラック・フローラルといいます。
そちらはなんという国ですか?


  まゆ毛とまゆ毛がくっつきそうになるくらい悩みながら描いていると、アサンタちゃんが「あ、そうだ!」とガバッと顔をあげました。

「ねえライラック、お花持ってる?」
「うん、持ってるけど」
「お手紙だけじゃつまらないから、お花とかもいれない?」
「えっ」

  ぼくは荷物のなかのお花とアサンタちゃんを交互に見ました。これはアサンタちゃんにプレゼントしようと思っていたのです。あ、でも、2つあるから1つだけならいいか。
  ポワンの花とセシリアの花、どっちにしよう。

「枯れちゃわないかな?」
「大丈夫じゃないかしら。もし枯れてもドライフラワーみたくなってキレイだと思う」

  そう言って、アサンタちゃんはコモモ・ワインのビンにセシリアの花を入れました。

「私、セシリアの花がいちばん好き!」

  アサンタちゃんがニコニコしながら言いました。

(そうなんだ!!)

  ぼくはセシリアの花をカバンにしまい、ポワンの花をコモモ・ワインのビンに入れました。

「最後に住所を書くといいのよ」



ーーーー海のむこうのあなたへ

はじめまして、ぼくはナルル王国のライラック・フローラルといいます。
そちらはなんという国ですか?
海のむこうのあなたは元気ですか?
ぼくは毎日元気です。

PS.一緒に入れたお花はナルル王国のポワンの花です。ぼくのお気に入りです。

ナルル王国 レト区1-2 ライラック・フローラル





  便せんをクルクル丸めてコモモ・ワインのビンに入れ、コルクで栓をしました。

「できたー!早くテト海岸に流しに行きましょう」
「うん!」

  東の辻からシンザー通り南からへテト海岸大通り、ぼくたちはテト海岸へと一目散に走りぬけました。
  テト海岸は砂浜も海もお日さまの光でキラキラとしていました。

「えいっ!」

  2人でお手紙入りコモモ・ワインのビンを海に向かって投げました。

  ポチャンッ
  コモモ・ワインのビンは1回しずみ、またプカリと浮かんできます。

「ちゃんとよその国に届くかなあ」
「お返事くるといいわね」

  どんぶらこどんぶらこと遠くへ遠くへ流れていくコモモ・ワインのビンをしばらく2人で眺めていました。

「あっ、授業が始まっちゃう!」
「ほんとだ、いそごう!」

  2人で走りました。今日は走ってばかりだなあ。

  授業にギリギリ間に合い、ノミカの実を先生に渡しました。先生は「よくできました」とほめてくれました。

  お弁当のいむいむパンを食べてアサンタちゃんとお友だちに「バイバイ、また明日♪」を言ったら、急いでヤーノ市場へ行きます。
  ヤーノ市場にはたくさんの人がいました。
  明日の朝ごはんのためにロツとラダ・ミルクを買いました。

  暗くなってきました。おうちへ帰らなくちゃ。

  おうちの前まで行くとリンドウがひざを抱えていました。
  
「リンドウ、なにしてるの?」
「夕ごはんなんだ…」

  夕ごはんは、いつもママが作ってくれます。おうちからはいいにおいが、あれ、シーラエルグのにおいがします。

  リンドウと一緒におうちに入ると、

「おかえり。ママが遅いみたいだから、夕ごはんはパパのだぞ」

  パパが手に包丁とダレイを持ちながら、こちらを振り向いて言いました。
  ダレイはビチビチはねています。
  ぼくはうなずくしかありませんでした。リンドウは半べそです。

  ママーーー!!早く帰ってきてーー!!

  ぼくの叫びがシズニ神さまに届いたのでしょうか、そのとき、玄関の扉が開きました。

「ただいまー!遅くなってごめんね。あ、あれ、ゲンナディーさん夕飯用意してくれてるの?ごめんね、ありがとうね、代わるからゆっくりしてね!!!」

  ママーーー!!
  ぼくとリンドウは思わず手を取り合いました。

  パパのことは優しくてかっこよくて大好きだけど、パパの料理はモニョモニョ。

  今日の夕ごはんはママの魚団子シチューとフォカチャでした。
  みんなで「いただきます」をして食べました。おいしかったです。

  もう夜1刻です。ふわあー、おなかがいっぱいになって眠くなってきました。
  歯みがきをして、もう眠る時間です。
  リンドウはママに歯みがきをしてもらいながら半分寝ています。
  ぼくはお兄ちゃんだから、ひとりで歯みがきできるのです!

「おやすみ、ライラック」

  ふかふかベッドへダイブ。おっと赤ちゃんのフェンネルを起こさないにそっとそっと…。
  さて、おやすみなさ、あっ!
  ぼくはベッドから降りて、荷物をガサゴソしました。
  やっぱりセシリアの花を発見。
  アサンタちゃんにあげ忘れたようです。明日こそはあげなくちゃ!

  フェンネルを起こさないように静かにベッドへ戻りました。スヤスヤ眠るフェンネルからはミルクの匂いがします。
  隣のベッドにはリンドウが寝ています。
  おふとんをかぶりながらぼくはアサンタちゃんのキラキラふわふわした金色の髪の毛を思い出していました。
  アサンタちゃんの髪の毛みたいだから、ぼくの一番のお気に入りはポワンの花。でもアサンタちゃんはセシリアの花が好きだから、アサンタちゃんにはセシリアの花。

  ぼくは夢の中で、アサンタちゃんと一緒にお花摘みをしました。それをアサンタちゃんが輪っかにしてくれました。
  アサンタちゃんのはセシリアの花。ぼくのはポワンの花。
  セシリアの花の輪っかをかぶったアサンタちゃんは照れくさそうに笑っています。
  キラキラふわふわした金色の髪の毛は、やっぱりポワンの花のようでした。

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